森絵都さんの「最後は臼が笑う」を紹介しますこの本を選んだ理由は、ページ数が26Pと短編小説であったからです。
読書苦手な私でも30分ほどで読むことができました。
ついついダメな男に惚れてしまう女性のお話です。
すごく短くてあっという間に読めてしまうお話ですが、サラッとあらすじを紹介していきます。
書籍情報
著者:森 絵都 氏
出版社:Amazon Publishing
出版日:2018年1月23日
あらすじ
善なるものは遠くあっても接近してもさほど外見の印象が変わらず、どの角度から見ても同じ球体のような不動の丸みを帯びている。けれども悪は視点によってめざましくその形状を変じ、近づくほどに思わぬ側面を覗かせる。畢竟、自らもその毒を喰らうほどの至近距離まで肉薄しないことには全容がつかめない
本文より引用
*畢竟:つまるところ。結局。
*肉薄:身をもって相手(敵陣など)に迫ること。
ろくでなしの悪い男に引っかかる親友の 桜子 の言い分。
悪い男を至近距離でよく知れば、意外な顔が見えてきてどんどん愛おしくなってくる。
その一面を知れば、その男からひどい目にあっても許せてしまう桜子。
だから、高校時代からダメな男に弄ばれ続けた桜子の嗜好を矯正するため
「桜子の男運を変える会」を主人公の私は結成する。しかし、当の本人桜子は、
誰がどない言うたかて、うちは男運を変える気あらへんで。善良な男に愛されるより、あかん男に騙されるほうが燃えるんや。生きとるっちゅう実感があるんや
本文より引用
そこで「桜子の男運を変える会」は解散となったのは10年前。
いい男にランクがあるように、悪い男にもランクがあるそうだ。
黄昏時の男たちの中から尚も一転の愛しむべきところを発掘し、
そこにすがって生きている桜子ももうじき40歳。
ついに一分の隙もない完璧な悪に出会う。愛おしいところがこれっぽっちもない男に。
その男は毎日通勤電車で会う男で、
老いの兆しもない30~50代の女性が自分の前に立っていると無理矢理席を譲るのだという。
一方で男は、高齢の人や座席に座りたい女性に対しては狸寝入りを決め込み席を譲らないというのだ。
故意に、老化を感じつつもまだ若く見られたいと期待を抱いている年代の人を狙い、
席を譲ることで傷つけようとしているようだった。
実際桜子もその男の前に立って見たときに、同じように席を譲られたそうだ。
席を譲る理由を問いただすと、
「気取っている女性のへこんだ姿が痛快だから」とその男は答える。
この男には「愛おしさ」が全くない。
桜子にとって、その男は生涯初の例外であって、挫折であり、汚点であり、消化不良であった。
そのうち増悪が吹き溜まり、
復讐をするため「桜子の男運を変える会」メンバーが再招集された。
復讐は、友人の1人が男の前に立ち、席を譲られたら「バカにするな」とキレることで、
動転した男に足を引っ掛け、転ばせるという、さるかに合戦の様な作戦をたてたメンバー。
いざ、出陣!!
感想
「微妙な年齢の女性にのみ席を譲る」という、
ある意味痴漢と同等の暴力行為をする男への復讐劇でした。
自分たちの力での復讐は叶えられなかったが、さるかに合戦の臼の登場により
痛快な形で復讐を果たすことができました。思わず笑ってしまう結末でした。
桜子の言うダメ男にはまる心理というのは、
自分だけにしか分からない「愛おしさ」を見つけた高揚感、それを知った自分の存在意義を感じているのでしょう。
さてこの先、桜子はどんな恋愛をするのでしょうか。想像がふくらみます。
ツイッターでの感想
まとめ
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