今回は芥川賞受賞作家 川上未映子さんの シャンデリア を紹介します。
これまた、29ページと短編なので私でもサラッと読めるだろうと思って読みました。
この本はKindle Unlimited で読みました。最近は電子書籍で読書をすることが増えました。
スマホで読めるので空き時間に読書ができるし、定額でたくさんの本が読み放題でおススメですよ。
この本のあらすじを紹介していきます。
芥川賞受賞作家の短編小説
お金と幸福感について考える
母との関係を考える
作品情報
著者:川上 三映子 氏
出版社:Amazon Services International,Inc
出版日:2017年1月11日
作者について
川上未映子(かわかみ みえこ)
1976年、大阪市出身。文芸誌に詩を投稿したのを手はじめに、2007年には文芸誌「早稲田文学」に短編「わたくし率 イン 歯ー」を発表、芥川賞候補作に推された。2008年、二作目となる中編「乳と卵」で芥川賞を受賞。2010年には、初めての長編『ヘヴン』で芸術選奨文部科学大臣新人賞と紫式部文学賞を受賞し、作家としての地保を固めた。2013年には詩集「水瓶」で高見順賞を、短編集『愛の夢とか』で谷崎賞を受賞した。2016年には作品集『あこがれ』で第一回の渡辺淳一文学賞を受賞。他の作品に『すべて真夜中の恋人たち』などがある。
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あらすじ
毎日デパートにでかけ1日をすごす生活をおくる主人公の「わたし」。
他人から、”来る日も来る日も気まぐれに買い物をしつづける人間なんて、
自分の頭でまともにものを考えることもできない最低の俗物で、馬鹿で、
人生の大切な意味にふれることのできない、虚しい人間なのだ。”
と思われていようが気にしない。
デパートにはいろいろなものがあってそのすべてに値段がついていて、
お金で買えないものが存在しない。だから、そのほかの場所では替えがきかない場所である。
だから毎日そこへ行きお金を使うのだ。
デパートには巨大なシャンデリアがある。
”シャンデリアは取り込んだ光をさらに磨きをかけて輝きを回り一面に放出している。”
いつかシャンデリアは自分の重さに耐えられず、
落下する瞬間に「わたし」がその下にいる想像をする。想像しながらその下を毎日歩く。
「わたし」は3年前に母を亡くした。母の死んだ理由ははっきりとはわからないが、
自死に近い事故死であった。
母は金銭トラブルをかかえており、娘の「わたし」を巻き込まないために15年も連絡を絶っていた。
母の死を知ってから1週間後、「わたし」へ高額の印税が振り込まれるとの連絡を受ける。
そんな不労所得で生活し、デパートで買い物をする「わたし」なのだ。
ある日「わたし」は高級ブティックで全身をブランド物で着飾り、店員に接客される老婆と出会う。
「わたし」はその老婆を丁寧に、上品に、身振り手振りを尽くして褒めあげた。
老婆は機嫌を良くし「わたし」にプレゼントまでくれた。
老婆と一緒にシャンデリアの下を歩き、
いつも自分が想像する落ちてくるばずのシャンデリアを見上げても、
シャンデリアはいつもどおりその場で輝いている。
感想
お金に苦労する環境で育ち、お金に苦労して亡くなった母。
その後すぐに大金を手にする「わたし」。
なぜそのタイミングなのか。もう少し早くお金が手に入っていれば、母は今も存在していたのかもしれないと考えずにはいられないです。
かたや、お金に苦労することもなく贅の極みな老婆に複雑な思いを感じる「わたし」に対して同情は感じたけれど、あんな暴言は人としてちょっとなぁ・・・・・と嫌悪感も抱いてしまいました。
「わたし」は母が再び目の前に現れ、幸せだった時がよみがえる事を切望しているのだろう。
「シャンデリア」はお金の象徴なのかな
幸福感を感じられない、虚無な自分がいっそのことシャンデリアによってその身を潰してくれればいいのにといつも思っていることに胸が締め付けられる思いがしました。
ツイッターでの感想
おわりに
短編ですが、悲しさ切なさがつまったお話でした。
ぜひ、読んでみて下さい。
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