「線は、僕を描く」横浜流星で映画化|線は生命、水墨は神羅万象

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線は、僕を描くアイキャッチ

私は小説を読むのが好きです。

活字を読んでその物語の風景を想像できるからです。わたしのそれはモノクロのイメージ画って感じです。その想像は読み手みよって変わるものであるだろうし、自由な感じが漫画や映画とは違う楽しみ方ができるのだろうと思うのです。

今回この「線は、僕を描く」を読んで感じたのは「映画で見たい!」です。

このお話は水墨画を描く画家のお話です。
主人公は、黒い墨で描かれた水墨画、それは完全なるモノクロの世界を見て色を感じるのです。赤や緑といった色を。私は水墨を知らないからなのか?全く想像できない!

たこぴい

主人公の見た色の世界観をぜひにも映像で見てみたい

映画は、主人公を横浜流星さんが演じます。それだけでも興味津々。

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物語は、両親を生きる気力を失った主人公が水墨画に出会い、線によって生命を表現するうち自身の再生に繋がってい姿が見ものですよ。
このお話のあらすじを紹介します。

こんな方におすすめ

・水墨画に興味がある人
・主人公の成長していく姿をみたい人
・何かを始めることに躊躇している人

著:砥上裕將
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目次

書籍情報

著者:砥上 裕將

出版社:講談社

出版日:2019年6月27日(ソフトカバー)、2021年10月15日(文庫)

2019年タイトル「黒白の花蕾」でフィスト賞受賞後、現在の「線は、僕を描く」に改題された。第17回本屋大賞第3位受賞。ブランチBOOK大賞2019受賞。

コミカライズ版が「週刊少年マガジン」で2019年から2020年まで堀内厚徳の作画によって連載。コミックス全4巻。

映画版は、2022年10月21日公開。監督小泉徳宏 

登場人物

青山霜介 あおやま そうすけ
主人公の大学生。高校生の時、交通事故で両親を喪い、喪失感とともに生きている。

篠田湖山 しのだ こざん
水墨画家。日本を代表する芸術家。霜介の才能を見出し、弟子にする。

篠田千瑛 しのだ ちあき
水墨画家。湖山の孫。花卉画かきがを得意とする。

西濱湖峰 にしはま こほう
水墨画家。湖山門下の二番手。風景がを得意とする。

斎藤湖栖 さいとう こせい
水墨画家。湖山賞最年少受賞者。完璧な技術を有する。

藤堂翆山 とうどう すいざん
水墨画家。湖山も一目置く絵師。

古前 こまえ
大学生。青山の自称親友。いつもサングラスをかけた変わり者。

川岸 かわぎし
大学生。青山と同じゼミ。母親の影響で水墨画に興味があるしっかり者。

あらすじ

両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生の青山霜介は、
アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会う。
なぜか湖山に気にいられ、その場で内弟子にされてしまう霜介。
反発した湖山の孫・千瑛は、翌年の「湖山賞」をかけての勝負を宣言する。
水墨画とは筆先から生み出される「線」の芸術。描くのは「命」。
はじめての水墨画に戸惑いながらも魅了されていく霜介は、
線を描くことで回復していく。そして一年後、千瑛との勝負の行方は。

線は、僕を描く原作公式サイト 講談社 から引用

霜介の真っ白な世界

霜介が高校生の時、霜介の両親は交通事故で亡くなり、喪失感にさいなまれていました。叔父夫婦のもとで暮らすようになるが、学校を抜け出し両親と暮らしていた実家に帰るという生活を続けます。
そこでは、自分が真っ白なガラスに覆われた部屋に居るような錯覚を見ます。その部屋の中では両親の映像が鮮明に見ることができたのです。
そんな生活から抜け出すために、叔父はエスカレーター式に進学できる大学への入学を提案します。
大学では、古前という友人に出会います。
彼は、イガグリ頭がいつもサングラスをかけて個性的だが、決断力と観察力に優れ、嘘をつかないまっすぐな性格。霜介と馬が合い、いろいろな場所へつれだしてくれました。

水墨に出会う

古前から斡旋されたバイト先は、水墨画の展示会のパネル設営でした。そこでかわいいお爺さんと出会います。
お爺さんは霜介と一緒に高級なお弁当を食べ、一緒に展示会場の水墨画を見て回ります。
霜介は水墨画の真っ白な紙の上にある黒い線に吸い込まれ、特に花や草の絵に目を引かれました。
ある薔薇の絵を見て、真っ黒なはずの黒い薔薇が、真っ赤に見えました。黒の絵から赤を感じるのではなく、赤の中から黒を感んじたのです。
霜介の感想を聞いたお爺さんは霜介を「慧眼」だと言い、霜介を弟子にしようとします。

このお爺さんが、水墨画の巨匠「篠田湖山」でした。
そして、薔薇の絵を描いたのは、湖山の孫の「篠田千瑛」でした。
千瑛は、霜介を弟子にすることに怒り、1年後の「湖山賞」をかけて霜介と勝負をすると言い出します。

湖山先生の講義

筆と紙

「できることが目的じゃないよ、やってみることが目的なんだ」

湖山の言葉 本文より引用 文庫P64

水墨とは、水暈墨章すいうんぼくしょうという言葉が元になり、水でぼかして墨でつづること。

1日目は、真っ白い紙に筆を走らせることを指示されます。
何度も失敗し、それを面白いと感じるまで。ただひたすらに落書きすることだけでした。
その日霜介は「何かを食べたい」と感じることができました。

「もし子供のように無邪気に描ければ、その人は天才になれるよ。失敗することが楽しければ、成功したときはもっと嬉しいし、楽しいに決まっている」

湖山の言葉 本文より引用 文庫P66

2日目 弟子の斎藤湖栖と出会います。彼は芥川龍之介を思わせる雰囲気をまとい、色白で背の高い美男子。最年少で湖山賞をとり、技術に優れた画家です。
湖山先生から墨をすることを指示されます。霜助のすった墨で湖山先生が線を描くことを何度も繰り返し、疲れた霜介は適当に墨をすると合格がでます。湖山先生は墨の粒子の違いだと言います。
水墨は神羅万象を描くのだから、自然を理解しなくては描けない。まずは心を自然にすることが大事だと。

「水墨を描くということは、独りであるということとは無縁の場所にいるということなんだ。水墨を描くということは、自然との繋がりを見つめ、学び、その中に分かちがたく結びついている自分を感じていくことだ。その繋がりが与えてくれるものを感じることだ。その繋がりといっしょになって絵を描くことだ

湖山の言葉 本文より引用 文庫P84
春蘭

3日目 春蘭を教わります。湖山先生が教える水墨のすべてが春蘭にあり、これを極めればほとんどの水墨が描けるといいいます。
霜介のガラスの部屋にお手本を描いた時の湖山先生の動きを映してみます。そしてそれを再現するように何度も何度も練習を繰り返します。そこで水墨の奥深さに驚きます。
湖山先生は次に千瑛に春蘭を描かせます。湖山先生は千瑛の絵を見て、「手が柔らかくなった」と評価します。それは、線に生命感が出てきたということ。葉の本質に近づくことだといいます。
ともかく描くこと、常に問い、立ち止まり、顧みて、また描く。その連続だと教わります。

4日目 春蘭を湖山先生にみてもらいます。よく頑張ったと評価されますが、霜介はどうして先生と同じようにうまく描けないのか悩みます。
湖山先生は芸術性よりも、気韻といってその人の心が筆致に現れ、それが生き生きと描かれているかが水墨の最大の評価になるという。とにかく楽しむこと。

「筆っていう心を掬いとる不思議な道具で描くからね」

湖山の言葉 本文より引用 文庫P174

湖山先生は、千瑛、斎藤、湖栖に牡丹を描かせます。斎藤の絵は完成度が高く実写的、千瑛の絵は情熱的、湖栖の絵は生命感を感じられた。

「水墨というのはね、神羅万象を描く絵画だ。
神羅万象というのは、宇宙のことだ。宇宙とは確かに現象のことだ。現象とは、いまあるこの世界のありのままの現実ということだ。だがね…
現象とは、外側にしかないものなのか?心の内側に宇宙はないのか?
自分の心の内側を見ろ」

湖山の言葉 本文より引用 文庫P216

5日目 湖山先生に春蘭を見てもらいます。
湖山先生は「言うことがない、すばらしい」と合格を伝え、次に竹と梅の手本を描き始めます。
そして、「これが君の先生だ」と一本の菊を手渡します。

一本の菊の花

四君子

四君子(しくんし)とは、蘭、竹、菊、梅の4種を、草木の中の君子として称えた言葉。また、それらを全て使った図柄、模様。
本来、中国語で君子は徳と学識、礼儀を備えた人を指し、文人はみな君子になることを目指した。蘭、竹、菊、梅の4種の植物がもつ特長が、まさに君子の特性と似ていることから、文人画の代表的な素材にもなった。蘭はほのかな香りと気品を備え、竹は寒い冬にも葉を落とさず青々としている上、曲がらずまっすぐな性質を持っている。梅が早春の雪の中で最初に花を咲かせる強靱さ、菊が晩秋の寒さの中で鮮やかに咲く姿が好まれた。
それぞれの気品の高い美しさから、中国宋代より東洋画の画題としてよく用いられ、春は蘭、夏は竹、秋は菊、冬は梅と、四季を通じての題材となる。 また、これら4つの草木を描くにあたって基本的な筆遣いを全て学べるため、書を学ぶ場合の永字八法と同じように、画法を学ぶ重要な素材となっている。

Wikipediaより引用

「蘭に始まり、蘭に終わる」
春蘭は初心者が必ず学び、2つ目に竹、3つ目に梅、4つ目に菊。
春蘭は孤高に咲く姿が君子の理想の姿、または風格を表すことや、俗にまみれない姿という絵師の心そのものであるという。菊は初心者の卒業画題です。

学園祭

大学の水墨画サークルの作品展示を湖山先生も見学に来ます。
そこで大学の理事長の依頼で湖山先生は、揮毫きごう会を開くことになります。
*揮毫:筆で文字や絵を書くこと。揮毫会とは水墨画の実演会。
湖山先生は葡萄を描きました。生命感の宿る一本の蔓によって、大きな葉、いくつもの実が結ばれて行きます。それぞれの命が湖山先生の手によって一個の生命を吹き込んでいくのです。

水墨画は確かに形を追うのではい、完成を目指すものではない。
生きているその瞬間を描くことこそが、水墨画の本質なのだ。
自分がいまその場所に生きている瞬間の輝き、生命に対する深い共感、生きているその瞬間に感謝し、賛美し、その喜びがある瞬間に筆致から伝わる。そのとき水墨は完成する。

本文より引用 文庫本P338

湖山先生倒れる

揮毫会の後から霜介はひたすらに菊を描き、次第に描くことは出来るようになります。
しかし、湖山先生の描く水墨画のような生命感の湧き出るものではないと行き詰ります。
そこから一週間筆を置き、ただ菊を眺めていました。

そんな時に湖山先生が入院にたとの知らせが入ります。
軽い脳梗塞であり早期の発見だったため大事には至らなかった。

病室で湖山先生は霜介を弟子にした真意を話始めます。
家族を失い喪失感の中、真っ白な世界にいる霜介が、まるで自分を見ているようだったと。
湖山先生の師匠が生きる意味を教えて救い出してくれた様に、霜介に生きる意味を見出して欲しかったと。
それを教える方法が水墨だったのだと。

孤独だと思っていた自分がこんなにもおおきな世界に繋がっていると知った霜介は、千瑛と実家へ向かいます。
「ただいま」というと千瑛が「おかえり」と返してくれる、自然なやりとりの2人。

霜介は、両親に菊の花を供え、その菊を眺めたら、自分の感情を絵にできるかもしれないと考え実家へ来たのでした。

湖山賞

花に教えを請い、そして、そこに美の祖型を見なさい

湖山先生の言葉 本文より引用 文庫本P351

湖山賞の結果は書籍にて・・・

感想 

この物語は、両親を生きる気力を失った主人公が水墨画に出会い、線によって生命を表現するうち自身の再生に繋がってい姿に感銘を受けました。

自分自身でもがいても、抜け出せない真っ白な世界。
同じ経験をした師匠の助けによって、抜け出す事と水墨を習得する事がリンクしていて、
同時に成長する姿がすばらしいと思いました。

そもそも湖山先生は水墨を習得させることが目的ではなく、生きる意味を見出す術が水墨であったということを知り、なるほど。技術を教えるのではなく真髄を教えていましたもんね。

湖山先生の言葉は水墨だけではなく、すべてに通じる言葉ですよね。

「やってもることが目的」

「失敗することが楽しければ、成功したときはもっと嬉しいし、楽しい」

「ともかく描くこと、常に問い、立ち止まり、顧みて、また描く」

「自然との繋がりを見つめ、学び、その中に分かちがたく結びついている自分を感じていくことだ」

何かを始めるには勇気がいるし、継続するには勇気と努力が必要。振返って反省して成長する。

自分は孤独ではなく、多くの人と物との結びつきであると。

生き方の指導をしてくれていたのですね。

感情が線に現れる、生命力が線に現れる。
私は水墨画を鑑賞したことないですが、なんとも恐ろしくパワーを持つ絵画なんだろうなと興味が湧きました。

たこぴい

水墨画を鑑賞するためにも映画観てみたい。

映画化 2022年10月21日公開

第44回ヨコハマ映画祭「2022年日本映画ベストテン」で8位を受賞していますね。

本を読んで、映画を観たいと思ったのですが、もうすでに上映が終了していました…

東宝movieチャンネルより
たこぴい

動画配信サービスにアップされるのを待って観てみよう♪

動画配信状況

U-NEXT

AmazonライムビデオHuluなどでレンタルで視聴することができます。

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本ページの情報は2023年9月12日時点のものです。
最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

まとめ

物語は、両親を生きる気力を失った主人公が水墨画に出会い、線によって生命を表現するうち自身の再生に繋がってい姿が見ものですよ。

感動まちがいなしです。

ぜひ読んでみて下さい。

こんな方におすすめ

・水墨画に興味がある人
・主人公の成長していく姿をみたい人
・何かを始めることに躊躇している人

著:砥上裕將
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